日本三大まんじゅうとは

まんじゅうのルーツ

参考文献

<日本三大ブック>
第十章 食べ物三大 日本三大名物饅頭

薄皮饅頭、大手まんぢゅう、志ほせ饅頭
日本中に饅頭の種類はどれくらいあるのか。一説によればその名の通り、万と十ほどもあるという。それほど人々に親しまれてきた菓子ということだろう。
その万を超える中でも、味、姿、風格と、三拍子揃った日本を代表する三大名物饅頭がこれ。
薄皮饅頭(福島県)
嘉永5年(1852)に創業の福島県郡山市の「柏屋」。この店で代々作られてきたのが、一度食べたら忘れられない味と評判の薄皮饅頭である。
黒砂糖風味の薄皮とこしあんのマッチングが絶妙で、舌の上にのせた時、その甘さが口全体に広がる。それでいて甘ったるさがいつまでも残らない。どんな時代でも長続きする、あきない饅頭の代表格といえよう。
大手まんぢゅう(岡山県)
天保8年(1837)創業の岡山県岡山市の「大手饅頭伊部(いんべ)屋」では、150年以上にわたり、薄い皮にぶどう色のあんが透けて見える大手まんぢゅうを作り続けている。
創業当時の備前藩主・池田公に好まれ、茶会の席では伊部焼(備前焼)とともに愛用されたという。名前の由来は、当時の店舗が岡山城の大手門前にあったため。
志ほせ饅頭(東京都)
中国・浙江省出身で、興国2年(1341)に来朝した林浄因を始祖とする老舗中の老舗「塩瀬総本家」。
この店で作られる志ほせ饅頭は、大和芋と上新粉を合わせて練り上げた皮と、ほのかな甘みの小豆のあんからできている。上品な甘さと柔らかい舌ざわりが絶品。
表面に刻印された「志ほせ」の文字が、この饅頭の歴史の深さを感じさせる。

※1993年3月 第1刷発行 加瀬清志/畑田国男 著 株式会社講談社 『日本三大ブック』より引用

<あなたは3つ言えますか?「日本三大」雑学236>
日本三大名物饅頭・江戸時代から続く、饅頭御三家といえば!?

和菓子の始まりは饅頭だといわれている。今やお茶の席や土産品として欠かせないもので、観光地に行けば必ずあるといっても過言ではない。そんな饅頭に、三大名物饅頭があることをご存知だろうか・・・・・・。三大名物饅頭とは、温泉饅頭のルーツといわれる福島県の『薄皮饅頭』、東京都の『志ほせ饅頭』、岡山県の『大手まんぢゅう』である。
◆薄皮饅頭福島県
温泉饅頭のルーツとされる薄皮饅頭は、名前のごとく皮が薄く、中にあんがたっぷり詰まった饅頭である。
嘉永5年(1852年)江戸から奥州を結ぶ、五街道のひとつ奥州街道の宿場町として知られる福島県郡山で、旅人の休憩所として柏屋が茶屋を開き、お客さまに出したのが始まりとされる。
柏屋は創業150年もの歴史を持ち、当時から変わらないシンプルな形と、ほどよい甘さのあんを、黒糖を混ぜ合わせたこげ茶色の薄皮で包み込んだ饅頭は、万人に好まれる味として今なお親しまれている。
◆志ほせ饅頭東京都
志ほせ饅頭は、日本初の元祖小豆あん入りの饅頭として知られている。南北朝時代の貞和5年・正平4年(1349年)に塩瀬総本家の初代、林浄因という中国人が中国料理の点心をヒントに中に小豆のあんを入れて作ったのが始まりとされる。
この饅頭を茶会の席に出したところ、大変評判を得たので、小豆あん入りの饅頭が誕生することになる。もともとは三河(現在の愛知県)の塩瀬村というところで饅頭を作っていたので、「塩瀬饅頭」と呼んでいたが、その後、江戸に幕府が置かれたので江戸に店を構えたことによって、「塩瀬饅頭」に名残をとどめる「志ほせ饅頭」となった。今も昔と変わらない材料と作り方で、小豆あんの品のある伝統の味が作られている。
◆大手まんぢゅう岡山県
きびだんごでも知られる銘菓揃いの岡山の名物饅頭、大手まんぢゅうは天保8年(1837年)、岡山城大手門周辺にある伊部屋で作られたのが始まりで、当時の備前(岡山県)藩主池田候から気に入られ、お茶会の席に必ず出されていた。
大手まんぢゅうは質の高い備前米を材料に、こうじから作り始めるため、甘酒の風味が美味しさの秘訣となっている。さらに、もち米や小麦粉を混ぜ合わせたしっとりと贅沢な生地に、滑らかなこしあんを包み込むので、まろやかな味わいになっている。現在もお茶会の他、土産品などとして人気がある。

※2003年7月 第1刷発行 ナヴィ インターナショナル編著 幻冬舎文庫 『あなたは3つ言えますか?「日本三大」雑学236』より引用

<日本の「三大」なんでも事典>
日本の三大饅頭 長くて650年、短くても150年のロングセラー

今でこそ饅頭といえば甘い餡入りのものが多いが、饅頭のはじまりは「肉まん」だった。
誕生は3世紀の中国。川の氾濫を鎮めるため、諸葛孔明が人身の代わりに南蛮人の頭をかたどった肉詰めの菓子を川に投げ込んだことがはじまりと言われている。

饅頭を日本に伝え、餡入りを考案したのは、室町期に帰化した中国人・林浄因だ。

その子孫は応仁の乱で三河に疎開したあと、京都で「塩瀬」という饅頭店を開いた。
三大饅頭の一つ、志ほせ饅頭のはじまりである。餡を包む皮にすりおろした大和芋を使うのが特徴で、650年間伝統の味を守り、現在の工程もすべて手作業だ。

二つ目の三大饅頭は岡山の銘菓・大手まんぢゅう
品質と新鮮さに徹底的にこだわり、約9割は岡山市近辺で販売される。地元で熱烈な支持を得ているのだ。

そして今から150余年前、郡山宿(福島県)で誕生した柏屋の薄皮饅頭は、「旅人の心を癒す」という創業からの理念を守り、現在も交通の要衝を中心に販売を展開して、多くの人々に愛され続けている。

※2007年11月 第1刷発行 世界の「ふしぎ雑学」研究会 著 株式会社三笠書房 『《図解》日本の「三大」なんでも事典』より引用

<「日本三大」なるほど雑学事典>
甘い饅頭は日本のオリジナル 三大饅頭

饅頭の起源はもともと中国にある。しかし、中国では今でも饅頭といえば、あんも具も入っていない一種の蒸しパンを意味する。甘いあんを入れたものを饅頭と呼ぶのは日本独特の伝統だ。
柏屋『薄皮饅頭』(福島県郡山市)
薄皮饅頭は、一八五二年創業の柏屋の銘菓。その名の通り皮が薄いのが特徴だが、あんの比率が多い割には甘さがしつこくない。柏屋の初代・本名善兵衛が、郡山宿の薄皮茶屋にてこしあんの饅頭をつくったのが始まり。その後、日本各地に伝わる温泉饅頭の基本形として定着していった。地元には菓子の神様を祀った「萬寿神社」があり、毎年春と秋にはまんじゅう祭りが開かれる。
伊部屋『大手まんぢゅう』(岡山県岡山市)
大手まんぢゅうは、一八三七年創業の伊部屋の銘菓。店が岡山城の大手門付近にあったことから、藩主からその名をつけられたと伝えられている。甘酒のコクとあんの甘さが程よく調和したまろやかな味わいが特徴。備前米、もち米、甘酒、小麦粉などをベースにして生地がつくられ、北海道産の小豆を特製の白双糖で練り上げたあんを包んで蒸し上げることで完成する。
塩瀬総本家『志ほせ饅頭』(東京都中央区)
志ほせ饅頭は、一三四九年創業の塩瀬総本家の銘菓。柔らかい歯ごたえとほんのりした甘みが特徴。あんを包む皮にはすり下ろした大和芋が用いられる。室町時代に中国から訪れた林浄因が奈良で饅頭をつくって売り出したのが始まり。彼は、肉食が許されない僧侶のために、小豆を煮詰めてあんをつくり、これを皮に包んで蒸し上げた。これが現在の日本に伝わる饅頭の起源となった。

※2009年12月 第1刷発行 株式会社レッカ社編著 PHP文庫 『「日本三大」なるほど雑学事典』より引用

日本三大まんじゅうサミット

まんじゅうのルーツは中国、時代は三世紀、三国志でおなじみの諸葛孔明が戦の際、荒れ狂う川を鎮めるための捧げものとして発明したと言われています。始めは肉饅頭でした。日本では室町時代、中国の林浄因が、日本に渡来し、肉食が許されない僧侶のために、小豆を煮つめ、甘葛の甘味と塩味を加えて餡を作りこれを皮に包んで蒸し上げました。これが日本のまんじゅう文化の始まりです。

この林浄因が、日本三大まんじゅうのひとつ「志ほせ饅頭」塩瀬総本家の始祖であり、貞和5年(1349年)奈良でまんじゅう商いを始めました。ふわふわとした皮の柔らかさ、小豆餡のほのかな甘さが、寺院に集う上流階級に大評判となりました。

江戸時代になると、まんじゅう好きの将軍や大名が数多くあらわれ、各地で自慢の名物まんじゅうが生まれていきました。そのひとつが、天保8年(1837年)初代伊部屋永吉創業の備前(岡山)名物「大手まんぢゅう」です。店舗が岡山城大手門の附近にあったことから備前藩主池田侯が命名されたと伝えられています。その親しみやすい名前と風味豊かな味わいは、当時の人たちに備前名物としてご好評をいただきました。 また落語でも「饅頭恐い」や「東海道中膝栗毛」など、まんじゅうが題材となり庶民の文化として、ますます身近なものになっていきました。

東北地方では、嘉永5年(1852年)奥州街道の宿場町郡山宿で、初代本名善兵衛が、「百歳の翁にも三歳の子どもにもまんじゅうは国民の滋養である」として、皮が薄く、こしあんがたっぷりのまんじゅうを考案いたしました。黒船来航一年前のことです。

こうして時代を経て、まんじゅうは世代を問わず誰からも喜ばれる日本の文化として深く根付いていき、今もなお愛され続けています。

約667 年続く、この素晴らしい日本のまんじゅう文化を未来へと継承し、日本か誇る文化のひとつとして、世界に認められることを目指してまいります。そして世界のまんじゅう「Three Major Manjues in the World」となれるよう、本サミットがその第一歩となることを祈念し宣言いたします。

2016年4月16日

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第1回 日本三大まんじゅうサミット in Fukushima 2016
日 時:平成28年4月16日(土)

このたび日本三大まんじゅうと称される「志ほせ饅頭」「大手まんぢゅう」「柏屋薄皮饅頭」が一堂に会し「第1回日本三大まんじゅうサミット」in Fukushimaを開催いたしました。各社が自社商品の歴史や文化、理念など饅頭の素晴らしさを語り、パネルディスカッションや試食会などを通して皆様との交流を深め「日本三大まんじゅう宣言」を採択しました。

震災から5年という節目の年に、第1回目の開催地を福島県を地元とする柏屋で実施したことにより、震災復興への加速につながればと考えております。また、これと同時に、日本の素晴らしい、まんじゅう文化の存在と魅力を世界へ向けて発信したいと考えております。

第1回日本三大まんじゅうサミットの開催風景はこちら

【 パネラー 】

創業貞和5年(1349年)
日本で初めて饅頭をつくった「林浄因」が始祖sihose_title合資会社 塩瀬総本家 代表取締役社長夫人 川島容子

創業天保8年(1837年)oote_title株式会社 大手饅頭伊部屋 取締役社長 大岸豊和

創業嘉永5年(1852年)usukawa_title株式会社 柏屋 代表取締役社長 本名善兵衛

サミット開催の模様を下記より
ご覧いただけます。

第2回 日本三大まんじゅうサミット in Tokyo 2016
日 時:平成28年9月28日(水)

日本三大まんじゅうと称される「志ほせ饅頭」「大手まんぢゅう」「柏屋薄皮饅頭」が一堂に会しここ、日本のまんじゅうの始祖である東京 塩瀬総本家にて、第二回「日本三大まんじゅうサミット in Tokyo 2016」を開催いたしました。

本サミットを通し、また、2020年の東京オリンピックに向けて、日本の素晴らしいまんじゅう文化の存在と魅力を広く発信していきたいと考えております。

第2回 日本三大まんじゅうサミットの開催風景はこちら

第一部 基調講演

【 講演者 】

創業貞和5年(1349年)
日本で初めて饅頭をつくった「林浄因」が始祖sihose_title合資会社 塩瀬総本家 取締役会長 34代目当主 川島英子

第二部 パネルディスカッション

【 パネラー 】

創業貞和5年(1349年)
日本で初めて饅頭をつくった「林浄因」が始祖sihose_title合資会社 塩瀬総本家 代表取締役社長 川島一世

創業天保8年(1837年)oote_title株式会社 大手饅頭伊部屋 取締役社長 大岸豊和

創業嘉永5年(1852年)usukawa_title株式会社 柏屋 代表取締役社長 本名善兵衛

【共  催】合資会社塩瀬総本家 株式会社大手饅頭伊部屋 株式会社柏屋
【後  援】全国菓子工業組合連合会 全国和菓子協会

第3回 日本三大まんじゅうサミット in Okayama 2017
日 時:平成29年10月13日(金)

「新たなスタイルの創出と国内外への発信誓う」 岡山後楽園 鶴鳴館にて日本三大まんじゅうと称される「志ほせ饅頭」「大手まんぢゅう」「柏屋薄皮饅頭」の三社によるサミットが、10月13日、岡山後楽園 鶴鳴館で開かれました。今回は、「まんじゅうを楽しむ新しいスタイルの提案」をテーマに、「志ほせ饅頭」の塩瀬総本家(東京)の社長夫人、川島容子氏、「大手まんぢゅう」の大手饅頭伊部屋(岡山)、大岸豊和社長、「柏屋薄皮饅頭」の柏屋(福島)本名善兵衛社長が、各社の取り組みなど意見を交わし、第1回で採択された「日本三大まんじゅう宣言」を踏襲し、さらに「新たなまんじゅう文化のスタイルの創出と、国内外への発信」を盛り込み、宣言採択いたしました。

第三回日本三大まんじゅうサミット宣言採択

報道関係者を中心にお集まりいただいた皆様を前に、3社による宣言、宣言証に署名・提示を行い、宣言採択をいたしました。 日本三大まんじゅうを召し上がりながらの和やかな雰囲気での採択となりました。

日本三大まんじゅうcafe

日本ギフト大賞2017 話題賞を受賞しました。
日 時:平成29年4月13日(木)

日本ギフト大賞選考委員会による地域に根差したギフト商品や独創的な贈答商品を選定する日本ギフト大賞2017が発表され話題賞に、「志ほせ饅頭(塩瀬総本家/東京都)」、「大手まんぢゅう(大手饅頭伊部屋/岡山県)」、「柏屋薄皮饅頭(柏屋/福島県)」を相称した「日本三大まんじゅう」が選ばれました。

2017年4月13日に東京で表彰式が行われ、柏屋の本名善兵衛社長が「日本三大まんじゅうとして動き始めて1年、これからも和菓子文化を世界に発信していきたい」と述べました。

日本ギフト大賞HP